1月28日(火)、とやま生協とコープいしかわの共同開催で、ハンガー・フリー・ワールドの活動について学ぶオンライン学習会を行いました。講師として、ハンガー・フリー・ワールドの小林さんにご参加いただきました。
認定NPO法人のハンガー・フリー・ワールドは書き損じはがきや使用済み切手などを回収・換金した資金で、慢性的な飢餓に苦しむ世界の人々を支援する活動を行っています。「みなさんからいただいた温かいお気持ちがどのように使われているのか、実際の現地の様子も踏まえてお伝えしたいと思います」と小林さん。
小林さんはまず、世界で起きている食糧問題について、「飢饉」と「慢性的飢餓」の違いから教えてくださいました。飢饉とは、ウクライナ戦争などの人災や天候不良などで急激に食べるものが無くなった状態のことで、メディアでの報道も多く、ユニセフなどでの緊急支援も行われています。一方で慢性的飢餓とは、その地域で作物を収穫できているものの、先進国の土地の買い占めなどによって現地の人々が食べるものはないという状態だそう。
「ハンガー・フリー・ワールドはまさにこの慢性的飢餓に注力しています。現地の住民が自分たちで作物を育て、自分たちの食べ物や収入を得られるようにする、自立支援の活動なんです」
その活動の資金として、期間が決まっている国からの補助金などではなく書き損じはがきでの寄付を用いているのは、息の長い支援を続けることでその地域自体が自立できるようにするためだそう。
実際にブルキナファソのクブリ郡では、2005年~2021年までの16年間をかけて、女性組合を立ち上げて収入創出したり、学校給食の支援を行って子どもたちが学校にいけるようにしたり、息の長い支援を続けました。その結果、地域住民自身がその生活を続けていける体制が整い、支援を完了することができたそうです。
「支援を始めた当初は、現地の人々には子どもの栄養についての知識もなく、赤ちゃんに大人と同じ揚げパンをあげていて、消化がうまくできずに死につながってしまうこともありました。しかし現在は、当時支援を受けていた女性が他の女性に教える側に回って、自分たちでつないでいけるようになりました」
この支援が行われているブルキナファソという国は、日本への胡麻の輸出量が第2位。日本で食べられている胡麻の多くが、ブルキナファソで栽培されています。「海の向こうと私たちの食卓がつながっていることを実感してほしい」と小林さん。
「この食材はどこから来ているのか?など、知ろうとすることが何よりも大切なんです」と繰り返しお話されました。
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会場に参加した皆さんの様子
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支援によって少しずつ野菜が収穫できるようになったそう
その後に設けられた質疑応答の時間では、「現地スタッフはどれくらいいるのか?」「支援している国は変わるのか?」など、参加者からたくさんの質問がありました。中には、「私が送ったハガキがこのように使われていて感動した」という声もあり、ハンガー・フリー・ワールドの活動について、理解を深めるよい機会となりました。
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質疑応答の様子
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西部センターで参加された皆さんの様子
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みんなで記念撮影
参加人数 12名(富山会場5名、西部会場5名、自宅からのオンライン参加2名)
参加者の感想
- 終わりある支援が持続可能な支援に変わることは素晴らしいことだ
と思います。ただ物を支援することは簡単だけど、 自分たちの力で生きていくための術の手助けをすることは飢餓をな くす根本的なことに繋がると思います。 - 回収されたハガキの使い道がよくわかりました。
生協の仲間に今日知ったことを伝えたいと思います。 - 自分たちが十分食べられていることに改めて感謝したいです。