12月13日(水)、コープいしかわととやま生協が共同で「世界の飢餓と私たちの食卓」をテーマに認定NPO法人ハンガー・フリー・ワールドについてのオンライン学習会を開催しました。
はじめに、ハンガー・フリー・ワールド国内部門マネージャーの田中梨佳さんから、世界の飢餓に関する情勢や、ハンガー・フリー・ワールドがどのような活動を行っているかを教えていただきました。
参加者:28名(とやま生協の参加者14名)
世界の飢餓について
現在、世界人口でみると、11人に1人が飢餓状態にあります。中でも発展途上国には慢性的な飢餓状態に陥っている地域があり、それらの地域では「食べること」はできても量が十分でなかったり、食料の質が悪かったりして、慢性的な栄養不足になっています。
世界の食料生産量をみると、すべての人が食べていけるだけの食料が作られていますが、それらがいきわたらないために飢餓が発生しています。
食料がいきわたらない原因
- 先進国の食料を作る大規模農場が作られ、現地の人々が食べるための作物の畑がなくなる
- 戦争や新型感染症といった「不安」によって世界中の食料価格がすぐに跳ね上がる
- 水や穀物を大量に消費して生産される肉を食べる文化が広がっている
- アフリカ大陸のサハラ以南で1年間に作られるのと同量の食料が、世界中で捨てられている
「すべての人が食べられるようにするためには、自分たちで食べるものは自分たちで作る地産地消や、適正価格で食品を買うなどの『奪わない食生活』が必要です」と田中さんはおっしゃっていました。
ハンガー・フリー・ワールドの活動
ハンガー・フリー・ワールドは、現在飢餓状態にある人が、自分たちで食料を作り暮らしていけるようになるための支援をしています。
活動のゴールは「現地の人がハンガー・フリー・ワールドの支援を卒業し、自分たちで食べていけるようになること」。自分たちで食料をつくり、地域全体がよくなり、飢餓状態へ後戻りすることがないようにと、農業や加工・保管の技術、離乳食の作り方などの「食べ方」を教える支援をしています。
動画で、支援を受けた女性が「栄養不良で子どもをしょっちゅう病院に連れて行っていたが、栄養のあるおかゆの作り方を習ってからは子どもが健康になった」と、おかゆの作り方をほかのお母さん達に教える活動をしている様子などを見せていただきました。
支援を受けた人々が組合や団体を作り、自分たちで事業を続けていけるようになることは貧困が原因となる紛争の抑止にもつながるそうです。
「かわいそうだから助ける」のではなく、人として「安全で栄養のあるものを十分食べる」という権利を取り戻す支援を通して、慢性的な飢餓状態にあった地域全体がよみがえっていくのがわかりました。
最後に、Zoomの中でグループに分かれ参加者で交流を行いました。
「飢餓状態が発生するのは、世界で食料を奪い合っているからという話が印象に残りました。まずは自宅にある食べ物を無駄にしないようにしようと思いました」「寄付するのではなく、現地の人の自立を助けている、現地の人の生活を良くする支援をしていることに感動しました」「動画で現地の人の声を聞けてよかったです」という感想があがり、参加者の皆さんはハンガー・フリー・ワールドの活動に理解が深まったようでした。
書き損じハガキ回収キャンペーンを行います
ハンガー・フリー・ワールドが行う「書き損じハガキ回収キャンペーン」は、家の中で眠っているハガキや切手、商品券などを回収して換金し、飢餓に直面する人々を支援する活動です。
詳しくは1月8日(月)から配布のチラシをご覧ください。
チラシイメージ
チラシを切り抜いて作った封筒にはがきや切手などを入れてポストに投函してください。