近年、改憲をめぐる論議が盛んになっていることや、世論調査でも意見が分かれていることをふまえ、日本生活協同組合連合会の上田さんを講師に「憲法とは何か」という基本的な内容についての学習会を開催しました。
今回は「憲法ってなぁに?」「憲法改正について」「憲法改正の4つの論点」の3部に分けて、憲法の基本や制定の歴史、議論になっているポイントをお話ししていただきました。
憲法とは?
- 国民一人一人が持っている人権を妨げられないために、政治的な権力を制限する「檻(おり)」。
- 政治を任せられた政府が、「してはいけないこと」「してもいいこと」「しなければならないこと」を約束した事柄が書いてある。
- 日本国憲法は日本国民がつくったので、改定には国民投票が必要になる。
日本国憲法は大きく分けて「基本的人権」と「国の仕事のありかた」の2つについて書かれています。
戦後の憲法制定の経緯と合わせて、原理をまとめた前文や、わたしたちのくらしに関わる条文を読むと、憲法がわたし達の当たり前のくらしを守っていることが分かりました。
また、憲法は変えてもいいし、変えなくてもいい、そのために議論をしてもいい、という前提があります。
憲法は「変えるか変えないか」ではなく、「わたし達にとって大事なことは何か、それが守られる憲法であるか」が重要だと教えていただきました。
現在の改正案の論点については、それぞれの案が出された経緯や現在ある問題と合わせて詳しく解説していただきました。
自衛隊のあり方、憲法に記述がなくても法律で対処できていること、財源の確保に課題があること、選挙での一票の格差問題など、わたし達の生活に関わる問題ばかりですが、政治の思惑もさまざまに絡み合っているようです。
最後に、「改定の議論で大切なのは、憲法がなんのためにあるのか忘れないことです。憲法をよくするのも、悪くするのもわたし達次第。関心を持ち続け、憲法に対する自分なりの意見を持ちましょう」と上田さんはおっしゃっていました。
参加した方からは「今の生活に合わせた形に憲法を変えましょうという言い方で9条の大きな問題を隠しながら改正を進めようとしている感じがする。議論になっていない部分のことも含めて、もっと勉強が必要だと思った」という声が聞かれました。
参加者:38名
参加した方の感想
- 日本人は他人事のように平和ボケしているのでメディアでも(このような内容を)取り上げてほしい。憲法について、ほぼ初めて向き合いました。良い勉強になりました。
- 自民党の思いだけで改憲しようとしていることがとても残念。日本は戦争で沢山の犠牲者を出して復活した国だと思う。国民の意見をもっと聞くべきである。若い人ももっと勉強してほしい。
- とても分かりやすく簡潔にまとめられていて、これからもっと(憲法に)関心をもって自分なりの考えを持っていくための参考になったと思います。参加して良かったです。