食の安心学習会2024 ~食の安全の基本から考える健康食品~ が行われました
10月31日(木)ボルファートとやまにて、食の安心研究所が主催する「食の安心学習会」が行われました。
今回は、今年発生した紅麹健康食品の健康被害についての関心を踏まえ、「食の安全の基本から考える健康食品」と題して、公益社団法人日本食品衛生協会学術顧問の畝山 智香子さんにご講演いただきました。組合員・役職員・お取引など、会場参加47名、自宅からのリモート参加18名の計65名が参加しました。
畝山さんは、「健康食品についての話をする前に、食品そのものの安全性について理解する必要がある」と語られ、そもそも食品とは何かからお話していただきました。一般的な食品の中にも、調理によって有害物質が発生するものや、悪者にされがちな食品添加物と同じ成分が含まれているものもあり、健康へのリスクがゼロとはいえないそう。
「食品添加物や農薬に対して、『元々の食品そのものは安全であり、余計なものを入れるからリスクが生じてしまう』と誤解している人も多いです。食品そのものにもリスクはあるのに、それをわかっていないからリスクの低いものを正しく選べない」と畝山さん。
リスクはあるかないかではなく、リスクの程度と食べる量を考えることで、リスクが低い状態を維持することが大切だと教えていただきました。
そのうえで、健康食品とは何か、どのような危険性があるのかについて、過去の健康被害の事例や食品と医薬品の違いなどをお話しいただきました。
「健康食品はあくまで食品であり、効果が明確な医薬品とは違います」と畝山さん。医薬品と同じような見た目や宣伝内容であっても、効果があいまいだから食品なのであり、食品だからこそ商品に何の成分が含まれているのか開示されていないことも多いそう。畝山さんは「食品でありながら医薬品を擬態するもの」と表現されていました。
そもそも、食事からとれないような量の成分を長期間摂り続けることは必然的に健康リスクが高いことであり、特定の食品を取ることで健康になれるという健康食品のメッセージは食品安全の基本に反するものだとお話されました。
最後に、畝山さんは「食品そのものにもリスクがある。ある食品を安全にするか、安全でないものにするかは食べる量や食べ方によります。食品を安全にするためには、毎日いろんなものを美味しく食べましょう!ということなんです」とまとめられました。
参加者 63名(会場:45名、リモート18名)