いきものコレクションアプリ「バイオーム」を使って、里山の生きもの探しをするイベントを開催しました。会場となったのは富山県自然博物園 ねいの里で、スタッフ方に案内していただきながら園内を散策し、植物や昆虫を観察しました。
山の中を歩きながら、時折スタッフの池松さんから道のそばに生えている植物や見つけた虫について解説していただきました。
はじめに見つけたのはウリカエデの樹。カエデと言えば、カエルの手のようにぎざぎざした葉をつけていることが多いですが、ウリカエデの葉は丸みがあってカエデのようには見えません。
しかし、つけている実はカエデの実の特徴である羽根のような形をしています。「葉っぱだけを見るのではなく、こうして実もこまかく見てみることが大切です」と観察のポイントを教えてくださいました。
ほかにも、見つけた樹の葉の写真をとってアプリで調べてみますが、種類のわからない樹がありました。葉を傷つけてそこからにおいをかいでみると甘くてさわやかないい香りがします。
この樹はクロモジという樹で、お茶や薬などとして利用されてきた樹でした。いい香りの正体は、クロモジが虫から自分の身を守るために持っている成分の香りだそう。
大人も子どもも興味津々で、アプリや写真だけではわからない植物の香りを確かめていました。
散策しながら、子どもたちに大人気のカブトムシが集まる樹を教えていただきました。池松さんが案内してくれた樹でさっそくカブトムシを発見しました。
「カブトムシが集まるのはどんな樹?」と聞かれると、「クヌギかコナラ!」と答えるお子さんも。クヌギやコナラは樹液が染み出ている樹なので、その樹液を吸う虫たちが集まるそうです。
樹のそばにはカブトムシの前羽が落ちていました。カラスに食べられたカブトムシの羽で、硬い前羽だけ捨てられるというお話を聞き、里山の中の命の循環を見ることもできました。
最後に自分たちで虫を探してみました。水辺にはトンボやバッタがさかんに飛んでいますが、素早くてなかなか捕まえられません。
虫が網に入ると子どもたちは歓声をあげ、「シオカラトンボかな?」「このトンボとさっきのトンボは一緒?」と夢中で観察していました。
アプリで調べるだけでなく、実物を見て触れて、富山の里山の豊かさを楽しむことができました。
参加者:大人11人、子ども11人