5月21日(火)、西部ブロックくらし委員会が主催し、「富山県防災危機管理センター見学&防災対策を学ぼう!」を開催しました。
西部センターからバスで向かったのは、富山県の災害時に対策本部などの中枢部が設置される「富山県防災危機管理センター」です。防災・危機管理課の職員の案内の元、まずは館内の設備を見学して回りました。
危機管理センターは津波時の浸水想定高さよりも上部に免震装置を設置しており、津波や地震などの災害に備えた構造になっています。また、2階には災害時の記者会見等で使用するプレスルームのほか、保育園とテラスが備えられており、テラスは松川べりに面しており春には桜を楽しむことができるそうです。
4階のオペレーションルームに入ると、まず目に入るのは壁一面に設置されているスクリーンです。大画面に各報道局からの情報やヘリからの空撮映像が映し出され、災害時の情報収集や対策立案の拠点になるそう。5階の大会議室にも同じようなスクリーンが設置されており、部屋に入るなり参加者からは「テレビでよく見る部屋だ」という声があがります。大きな長机に知事や各局の責任者のネームプレートが配置されていて、見学するだけでも緊張感が伝わる空間でした。
屋上にはヘリポートが設置されており、「災害時には政府からの支援物資等がこのヘリポートに届く」と説明がありました。安全に着陸するために地面には電熱線が敷いてあり、雪が積もらないような対策をしているそう。雪が多い富山県ならではの設備です。普段目にすることのないヘリポートに、参加者のみなさんは興味深そうに周囲を見渡し、「地面に書いてある文字は何という意味ですか?」などたくさん質問の声がありました。
館内の見学終了後、防災・危機管理課の小幡さんより「地震に対する備えと自主防災について」と題して講義をうけました。令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震について、富山県内の被害の実態を振り返り、小幡さんは「富山県も決して地震が少ない県ではない」と繰り返しお話されました。富山県で今後30年間に令和6年能登半島地震と同じような地震が発生する可能性は6-26%。全国的に見ても低い数値ではない、とのことです。
防災について、公助のほかに、住民自らも「自分の命は自らが守る」意識を持つことが大切だと話され、具体的な備えとしてハザードマップの確認や地域の防災訓練に参加したり、非常時の備蓄を確保したりすることを説明されました。
1月1日に地震の脅威を実感したこともあり、参加者のみなさんはとても真剣な顔でお話に耳を傾けていました。
参加者の感想(参加人数29名)
- 個人では見学できないところもいろいろと説明していただき、屋上のヘリポートも見学できて大変良かったです。
- 富山県は山と海両方の災害に対する心構えが重要と改めて感じました。
- 「富山県は地震が少なくて安心」という認識が誤りだと再確認しました。自分の命を自分で守ることを忘れずに、自身でしっかり防災対策したいと思います。